2020 年 76 巻 4 号 p. I_541-I_551
本論文では,現行の設計で想定する以上の地震力が作用しても崩壊を回避する新形式の橋脚として,RC橋脚の断面コア部にCFT柱を有するSRC橋脚を提案する.提案するSRC橋脚に加えて,従来型のRC橋脚およびCFT橋脚に対しても正負交番載荷実験を行い,SRC橋脚の基本的な力学特性を把握するとともに,断面コア部に鋼管を配置することによるじん性の向上,残留変位の低減,崩壊防止への有効性を検証した.SRC橋脚はRC橋脚と比べて耐力の増加および変形性能の向上が確認されたが,橋脚コア部の鋼管が載荷の早い段階で降伏したため,RC橋脚とSRC橋脚で残留変位はほぼ等しく,鋼管を配置することによる残留変位の低減効果は確認されなかった.