2021 年 77 巻 1 号 p. 199-218
L2地震動に対して,せん断パネルダンパーのエネルギー吸収機能でCFT柱が無損傷に留まるように設計した鋼管集成橋脚が,設計通りの挙動を示すことと,L2を超える地震動でもCFT柱の大きなエネルギー吸収能で優れた耐震性を有することを検証するために,上部構造に3基の鋼管集成橋脚を剛結した縮尺約1/10の2径間連続高架橋模型による水平2方向同時加振実験を実施した.実験より,設計で目標としたL2下における橋脚の性能を確認できた.また,L2を超える地震動下では,CFT柱のエネルギー吸収能が有効に働き,L2の3倍程度の加振倍率まで,橋脚には耐力低下がなく,残留変形もほぼ生じないことを確認できた.さらに,CFT柱を合成はり要素で離散化した鋼管集成橋脚モデルによる実用的な耐震解析モデルの適用性とその限界についても明らかにした.