2021 年 77 巻 4 号 p. I_196-I_206
東北地方太平洋沖地震などの過去の大地震において,組積構造の盛土式乗降場が大きく変形して崩壊するなどの被害が発生している.そこで,組積構造の盛土式乗降場に対しても耐震補強が必要と考えており,効率的な耐震補強方法の開発を進めている.一方,近年は組積構造の盛土式乗降場にも可動式ホーム柵の設置が進んできているが,その耐震性能の確認はできていない.そのため,可動式ホーム柵が設置されている構造での耐震性能を確認する目的で,1G場における模型モデルを使用した振動台実験を行った.実験の結果,可動式ホーム柵が設置前の乗降場より,耐震性能の向上を確認できた.また,その挙動から簡易的な補強方法を提案し,確認実験を実施した結果,補強による耐震性能の向上を確認できた.