2021 年 77 巻 5 号 p. II_37-II_49
本研究は,海洋構造物に関して真空含浸工法(VaRTM)の成形技術を適用して,CFRPを腐食・減肉した鋼部材に接着し,性能回復を図る工法の開発を目指したものである.補剛材の溶接接合部近傍に台形状の断面欠損を有する,板厚10mmの銅部材に対して,CFRPの配置がその曲げ耐力の回復に及ぼす影響を解析的,実験的に検討した.試験は,3点曲げ載荷とし,曲げ治具に設置した試験体の補剛材上部をつかみ,荷重を載荷した.隅角部へ樹脂をすりつける曲率半径,CFRPの剛性をパラメータとして検討した.その結果,CFRPが曲げ引張状態になる場合,隅角部へ樹脂の曲率半径を大きくすること,炭素繊維シートの積層数を増加することで,断面欠損のない試験体の最大荷重まで回復することがわかった.