2022 年 78 巻 2 号 p. 243-253
既設RC橋脚において地震時に塑性化する部分のかぶりを,場所打ち可能な超高強度繊維補強モルタルとひび割れ誘発目地で置換することで,断面寸法や自重の増加を伴うことなく変形性能を向上させる耐震補強工法が考案されている.本研究では,既往の研究におけるRC橋脚模型供試体の正負交番載荷実験の結果から補強部や軸方向鉄筋の挙動を考察し,これを基に本工法で補強されたRC橋脚の変形性能の評価手法を考案した上で,実験結果との比較および軸方向鉄筋の塑性座屈解析によりその妥当性を検証した.