2022 年 78 巻 4 号 p. I_636-I_645
2021年2月13日に福島県沖で発生したスラブ内地震(マグニチュード7.3)は,法面や住宅に大きな被害をもたらした.本稿では,強震動データ(防災科学技術研究所)と先行研究のデータに基づき,本地震の発生メカニズムと法面崩壊の要因について調査・検討した.その結果,本地震はスラブ内の地震活動によるものと推定され,表面最大加速度はプレート間地震や内陸地震に比べて大きな値を示したことが明らかとなった.さらに,松川浦大橋付近で発生した道路法面の崩壊跡から岩石サンプル採取し,岩石サンプルから珪藻や緑藻等の微生物が観察され,これらの微生物が法面崩壊の一要因となっている可能性が明らかとなった.