抄録
都市高速道路は人命救助や災害復旧・復興に不可欠な社会基盤であるため,被災後すぐに利用可能にするための事前対策として,事業継続計画(BCP)の策定が必要である.BCP策定に際しては,今回の東日本大震災の教訓を踏まえ,想定可能な最大限の規模の被害想定を行い,効果的な被害軽減策や対応体制をBCP策定時に盛り込んでおく必要がある.そこで本研究では,多様な被災状況と車両の交通行動を再現可能な交通シミュレーションシステムを開発し,都市高速道路のBCP策定支援への活用を検討する.具体的には,東日本大震災の被災状況を踏まえて,巨大な地震の発生により津波が都市内に浸入してきた状況をコンピュータ上に再現する.次に,その状況下での高速道路利用者と一般道路上の車両の安全確保対策について検討する.最終的には,シミュレーション結果を踏まえて,現状の都市高速道路BCPでは考慮されていない津波対応策を提案する.