抄録
近年,地球温暖化にともなう気候変動による影響として水災害,土砂災害等の頻発化・激甚化が懸念されており,ハード対策だけでなく,危機管理体制の整備が必要とされている.千代川流域では,「気候変動にともなう防災・減災を考える会」を設立し,官民一体となって水災害に対する「犠牲者ゼロ」に向けたソフト的な対策を検討し,実施した.本稿では,防災意識に関する住民アンケート調査等から得られた水災害に関する課題と実施したソフト的な取り組みを紹介する.さらに,住民勉強会が防災意識向上に有用である等,取り組みによる効果および取り組みを拡充・継続するための施策について紹介する.