2013 年 69 巻 2 号 p. I_141-I_146
近年の気象状況の変化に伴い,集中豪雨による災害の発生件数が増加していることが指摘されている.集中豪雨などの災害時においては,住民自らが危険を予知し早めに避難等の行動を起こすことが,身の安全の確保につながると考えられているが,危機予知能力を高めるための教育が十分になされていないのが現状である.そこで本研究では,集中豪雨に対する危機予知能力を高めることを目的として,拡張現実感という情報処理技術を用いた集中豪雨を疑似体験できるシミュレータを作成し,過去の災害資料による防災教育との比較を行うことで集中豪雨疑似体験シミュレータの有用性を検証した.