2014 年 70 巻 1 号 p. 1-13
本論文は,地元建設業の災害時の役割に着目し,自然災害の発災時~復興時における活動実態とリスク要因を把握することで,災害時のリスクがいかに減じられているかを定性的に分析するものである.そのために,土石流,河川氾濫,地震津波等の災害における復興段階において,地元建設業,住民,自治体等に対して聞き取り調査を行い,現状の課題について時系列及びリスク要因別に整理した.そして独自の分析手法を用いて要因分析を行うことで,災害発生時に地元建設業が果たしうる役割と効用をより明確化した.なお,本論文は,2009年7月の防府市を中心とする豪雨災害を機に2010年度から3ヶ年に亘っての山口大学と山口県土木建築部との共同研究として進められた研究に基づいている.