土木学会論文集F6(安全問題)
Online ISSN : 2185-6621
ISSN-L : 2185-6621
特集号(和文論文)
トンネル発破掘削に伴う周辺地山の応力状態が肌落ちの発生要因に与える影響
佐藤 芙美吉川 直孝平岡 伸隆伊藤 和也
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2016 年 72 巻 2 号 p. I_199-I_206

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抄録
 山岳トンネル建設工事中の労働災害は,建設機械等に起因した災害に次いで,肌落ちによる災害が多い.肌落ちによる災害は,年間1~2件程度の死亡災害と年間10件程度の死傷災害が発生している現状にある.その災害事例を分析した既往の研究からは,山岳トンネルにおける発破掘削を用いた現場で支保工建込および装薬作業中に発生していることが報告されている.これらの現状を鑑み,肌落ちの発生機構を明らかにすることを目的として,固結粒状材料を用いた供試体の発破実験およびトンネル模型発破掘削実験を実施した.また,それらの実験をシミュレートするため,3次元の個別要素法(DEM)解析を実施した.結果として,発破掘削後に切羽周辺において球要素間のボンドに引張応力が残存することを確認した.したがって,実際の現場において,発破後には岩盤同士の亀裂に存在する固結物には引張応力が残存している可能性が示唆され,その引張応力が徐々に岩盤同士の亀裂を押し拡げ,ついには重力により肌落ちが発生するものと推察された.
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© 2016 公益社団法人 土木学会
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