抄録
熊本県球磨川流域の自治体ではタイムライン防災への取り組みがなされ始めたが,このシステムを本校の学生寮といった局所的な施設および組織で対応できないかを考え,2015年から学生および関係教職員でタイムライン防災に基づいての防災計画の策定に動き始めた.そのような中,2016年4月に熊本地震に見舞われ,被災時の避難活動および被災後の避難生活を強いられることになったが,事前に検討していたこのタイムライン防災,特に学生らへの防災教育が行き届いていたおかげで,教職員が予想するよりも格段にスムーズに被災後対応をとることができた.一方で,課題も多く見つかっており,今後,同様の局所的な防災計画を策定するうえで,被災前に設定しておくべき事象についても把握することができた.