2019 年 75 巻 2 号 p. I_211-I_216
本研究では,保険の給付・徴収に対する不平等性の低減を目的に,内水被害額に応じてグループ分けをし,保険の給付・徴収することを検討する.そこで,徳島県全域を対象とした内水氾濫解析と治水経済調査から算定される内水被害額から,年平均被害額とその世帯数の分布を求めた.その分布をもとに,保険給付料と徴収料の差額の世帯格差を数値化し,内水被害額に応じたグループにより保険の給付・徴収を行うことで,不平等性が少なくなることを考察した.考察において,保険の給付・徴収は保険給付の上限額を設定した場合と,保険徴収料を変化させた場合ともに,不平等性が少なくなることがわかった.