土木学会論文集F6(安全問題)
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和文報告
風水害における消防団員の人的被害の特徴 -1969年から2018年までの災害を事例に-
山田 忠後藤 雄太松枝 心路
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2020 年 76 巻 1 号 p. 20-27

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抄録

 本報告は消防団が今後の風水害活動で注意すべき事項について検討することを目的に行った.具体的には,消防団員が殉職した1969年から2018年の風水害の事例を消防白書や新聞記事,既往研究などから把握し,殉職時の状況を分析した.

 結果として,消防団が今後の風水害活動で注意すべき3点を示した.1点目に,風水害は出動途上から帰宅中までの一連の活動において殉職者が出ており,一連の活動で安全に配慮する必要がある.2点目に,河川を中心に夜間の強い雨が観測されているときに殉職者が多い傾向にあり,夜間で雨が強い場合は活動しない,もしくは団員の安全が確保できた状態で活動に取り組む必要がある.3点目に,昼間で雨のピークが過ぎた後の活動でも殉職者が出ており,昼間で雨が弱くなっても周囲の状況に細心の注意を払って活動する必要がある.

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© 2020 公益社団法人 土木学会
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