2020 年 76 巻 2 号 p. I_43-I_50
共同漁業権は,漁村集落のコミュニティが自らの地先海面を共同で利用するという伝統的な漁業の区域を引き継いだものである.一方で,津波警報発表時において,共同漁業権が設定されている海域から地先の漁村集落にある漁港・港湾施設へ戻り高台へ避難することが,最も迅速であるとは限らない.そこで,リアス式海岸の内湾における共同漁業権の設定状況とボロノイ図から得られる空間的な最適解との比較検討をして海域を分類する方法を提案した.三重県南伊勢町五ヶ所湾に適用した結果,概ね共同漁業権の海域とボロノイ海域は一致しているが,一部に新たな上陸地点を考えなければならないこと,湾全体での避難計画を考えることの重要性を指摘した.