2021 年 77 巻 2 号 p. I_53-I_64
近年,異常気象に伴い土砂災害が全国的に多発しており,住民による事前の対策が希求される.本研究は,土砂災害特別警戒区域または土砂災害警戒区域内に居住するもしくはその周辺に居住する住民の土砂災害に関する知識の取得実態をアンケート調査で把握し,土砂災害に関する知識とコミュニティによる自主防災活動や家庭での土砂災害対策との関係性を明らかにしたうえで,今後の住民による土砂災害対策の促進に向けて示唆を与えることを目的に取り組んだ.成果として,まず,土砂災害警戒区域の定義や土木構造物による急傾斜地崩壊対策などの知識11項目について,回答者の半数以上が知っているものはなかった.次に,知識と自主防災活動や家庭での対策に関連性が見られた.最後に,一連の成果をもとに,住民の土砂災害対策の促進策について提案した.