抄録
青函トンネルに適用されたセメント水ガラス注入材については,種々の試験によりその有効性が確認されたものであるが,当初に考慮された要求性能が海底下という特殊条件において長期的に保持されているかどうかを把握することは,トンネル構造物の機能を維持するという観点から極めて重要である.
供用開始以降,青函トンネル海底部において長年にわたり維持管理に関する各種のデータを蓄積してきた.筆者らは,青函トンネル海底部における注入材料および構造物に関する各種データの分析により,セメント水ガラス注入材の長期材料特性とその性能の評価を実施した.その結果,注入材は長期的に健全性を保持しており,青函トンネル海底部の注入域は安定した状態にあることが明らかとなった.