2015 年 71 巻 3 号 p. I_112-I_121
鉄道トンネル内において表層コンクリートの浮きを赤外線パッシブ法により,非破壊・非接触で効率的に検査する方法を検討するために,中子型セグメント構造のシールドトンネル区間において,温度計を設置して坑内温度計測を行い長期にわたる坑内の温度環境を把握し,季節毎(8月,11月,1月)の赤外線サーモグラフィによる移動計測を行い,浮きを検出し打音法と比較した.その結果,今回の調査範囲においては,11月~1月が調査に適した期間であること,赤外線熱計測による浮きの検出は,計測時の温度環境の条件を満たせば打音調査に対して概ね同程度の精度を確保していることが明らかとなった.