抄録
長大海底トンネルである青函トンネルは,トンネル周辺地盤に注入を実施して形成した止水ゾーンにより,強大な水圧を覆工コンクリートに直接作用させないように設計されている.このような特殊な条件下にあるトンネルの長期的挙動の把握および今後の適切な維持管理のため,トンネル本坑の内空変位の長期計測,外観検査,覆工コンクリートの応力計測に基づき,覆工コンクリートの健全性を評価した.その結果,内空変位量は全体的に小さく,急激な変位の進行も認められないこと,また,一部の内空変位量が大きい箇所では,覆工コンクリートに設計基準強度相当の応力が生じているものの,当該箇所の圧縮強度よりも十分小さいこと,さらに,今後予想される覆工コンクリートの応力増加を考慮しても,その健全性が損なわれることはないことが明らかとなった.