抄録
切羽外周部あるいは中央部に自由面を形成する制御発破(以下,自由面発破と呼ぶ)では,発破振動を大幅に低減できることが知られている.一方で,その効果メカニズムについての議論は,これまでほとんどなされていなかった.このため,自由面発破における合理的な発破パターンの設計は実現困難であり,もっぱら経験的に行われてきた.
本論文では,個別要素解析手法を適用するとともに,発破孔近傍における破壊挙動やエネルギー収支および発破孔遠方における波動場に着目することで,自由面発破の振動低減効果について検証した.この結果,自由面発破における振動低減メカニズムを推測するとともに,特徴的な波動の伝搬特性を確認することができた.