2017 年 73 巻 3 号 p. I_75-I_84
軟弱地盤中においてトンネル内への地下水の漏水に伴って周辺地盤の圧密により変状したトンネルの適切な補強対策設計では,将来の荷重増加量を確実に予測することが重要である.しかし,従来の手法1)では,竣工時点からトンネル全周より常時最大の漏水が発生していると仮定して荷重増加量を算出していたため,補強対策の仕様が過大になるおそれがあった.そこで今回,トンネルの補強設計に使用する将来の荷重増加量を,既往の内空変位量の経年変化やトンネル周辺の間隙水圧計測結果から予測する手法を考案した.