抄録
近年の地下駅改良工事では,既設開削トンネルの側壁の一部を撤去し,開口を設置する事例が増えている.これらの設計では,開口部は剛性低下を見込んだ仮想梁,開口部上下端はピン結合とした二次元骨組解析モデルを適用することが多いが,開口部に隣接する上床版の正曲げモーメントを過大に評価する欠点があった.本研究では,実在する地下鉄駅部の開削トンネルをプロトタイプとし,開口幅をパラメータとした三次元FEM解析を行い,側壁開口の設置が断面力に及ぼす影響を把握した.加えて開口部上端に残置するハンチの形状寸法と開口幅に応じたねじり剛性を有する回転ばねを配置して,開口幅に応じた床版の合理的な断面力の算定が可能な二次元骨組設計手法を提案し,三次元FEM解析結果との比較することで当該手法の妥当性を確認するとともに,開口部に隣接する上床版の補強の要否判断指標について考察した.