2019 年 75 巻 1 号 p. 40-55
供用後の盤ぶくれ現象の主な形態は,建設時に地山が比較的良好なためにインバートを設けなかった路盤が,掘削時の応力解放とその後の湧水等の影響を受け,強度低下することで路面等が隆起することである.本研究では,供用後にインバートを対策した事例から地山の劣化特性と対策工の現状を整理し,計測データから,対策が施されたトンネルのインバートの軸力を,建設段階で適用されている早期断面閉合の一次インバートの軸力と比較することにより,対策として設置するインバートとして必要な性能について考察する.そして盤ぶくれ現象を再現させた数値解析を用い,そのインバートの形状による支保の効果を比較し,合理的な構造を検討する.