2021 年 77 巻 1 号 p. 60-75
本論文は,2020年2月に開通した首都高速神奈川7号横浜北線の馬場出入口トンネルの掘進が,近接する横浜北線の本線トンネルへ及ぼす影響を三次元解析によって検討している.横浜北線の本線トンネルおよび馬場出入口は,それぞれシールド工法によって構築されており,本線トンネル構築後に掘進する馬場出入口トンネルの既に供用しているトンネルに対する影響を把握することが大きな課題であった.本研究では,馬場出入口トンネルと本線トンネルの離隔が近接かつ三次元的に変化していることに着目し,三次元有限要素法解析により,出入口シールド掘削が本線トンネルに及ぼす影響を三次元的な離隔距離に基づいて解明し,近接施工における影響範囲の考え方について具体的な事例をもとに検討した.