山岳工法によるトンネル施工では,トンネル切羽付近において岩石等が崩れ落ちる「肌落ち」と呼ばれる現象が発生し,それによって労働災害が生じる場合がある.そのため,肌落ちの発生要因等を踏まえて肌落ちのリスクに対する様々な評価方法が提案されているが,肌落ちの発生要因の1つと考えられる切羽面の凹凸に着目した評価方法は提案されていないのが現状である.
そこで,本研究では,切羽面の凹凸に起因する肌落ちのリスクを評価することのできる解析方法を提案することを目的とし,切羽の写真測量結果からボクセル法を応用することにより切羽面の凹凸を考慮した三次元数値解析モデルを生成し,基礎的なトンネル掘削解析を行った.その結果,本研究で提案した解析方法が切羽面の凹凸に起因する肌落ちのリスク評価に対して有用であることが示された.
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