2021 年 77 巻 1 号 p. 60-74
放射性廃棄物処分施設の長期的な機能確認手段として,センサなどによるモニタリング技術が望まれている.分布型光ファイバセンサは,小型軽量で長寿命,センサ部に電源が不要などの特長とともに,一本のケーブルで多点計測が可能なため,モニタリング用機器設置に伴う人工バリアの弱部形成を最小化出来ることから,当該施設における有力なモニタリング手段として期待されている.筆者らは,わが国における施設の機能確認に必要なモニタリング項目を抽出したうえで,分布型光ファイバセンサの実用性を実験的に検証した.具体的には,室内実験によって長期耐久性の確認と圧力計測の基礎的検討を行い,実規模模擬施設を用いた原位置実験によって温度計測,ひずみ計測の実用性を確認するとともに,人為的にひび割れを生じさせてひび割れ検知性能を確認した.