2020 年 2020 巻 p. 20200021
機械部品のアセンブリモデルの構造解析においては,接触問題を取り扱えることが不可欠である.しかし通常のボクセル解析法では,物体間の接触条件の考慮が困難である.これに対し本研究では,有限被覆法(FCM)において,ボクセル型構造解析の枠組みにおけるEBE-PCG法を用いた実用的な3次元摩擦なし接触解析手法を構築した.FCMにおける接触拘束条件の定式化としてペナルティ法を用いた場合,精度確保のためにペナルティ係数を大きくすると数値的に不安定となり,反復法による連立一次方程式の求解において収束性に悪影響を及ぼす.これに対し本研究では,小さなペナルティ係数でも精度が確保できるNitscheの方法を用いる手法を提案した.また充填率が微小な要素による不安定性に対処するために,FCMにおけるghost penaltyの適用を提案した.さらに異なる要素サイズを段階的に用いる解析手法を提案し,計算時間の短縮を図った.これらの提案手法について,基本的および実用的な3次元接触問題の数値解析により有効性を示した.