日本計算工学会論文集
Online ISSN : 1347-8826
ISSN-L : 1344-9443
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  • 馬込 望, 森田 直樹, 三目 直登
    2024 年 2024 巻 1 号 p. 20241001
    発行日: 2024/03/12
    公開日: 2024/03/12
    ジャーナル フリー

    S-version of finite element method (SFEM) has intrinsic advantages of local high accuracy, low computation time, and simple meshing procedure, because SFEM can reasonably model an analytical domain by superimposing meshes with different spatial resolutions. However, the conventional SFEM has disadvantages such as accuracy of numerical integration and matrix singularity. Thus, we have proposed a new framework, B-spline SFEM (BSFEM), which solves their problems, and improves the accuracy and the convergence of matrix calculations. On the other hand, to analyze larger problems, parallel programming with message passing interface (MPI) is necessary, assuming the use of distributed memory parallel computers. However, there are few studies on parallelization of SFEM, especially applying domain decomposition methods commonly used in finite element methods due to the complexity of its mesh structure. In this study, parallel computing of BSFEM is realized by generalizing the complex mesh structure into a graph that represents the interaction between computation nodes. To evaluate its parallel performance, we performed strong scaling tests.

  • 常見 隆幸, 大村 浩之, 三目 直登
    2024 年 2024 巻 1 号 p. 20241002
    発行日: 2024/03/19
    公開日: 2024/03/19
    ジャーナル フリー

    This study improves and generalizes the ghost cell boundary (GCB) model, which calculates the wall boundary contribution by using cells (elements) and the Gaussian quadrature, focusing on free surface flow analysis using particle methods. The proposed method is applicable to semi-implicit type particle methods including the stabilized ISPH and can use an arbitrary number of integration points. We also clarify how to apply formulation of the fixed ghost particle to the integral points of the GCB model and realize the strict imposition of the wall boundary condition, which has been a problem in conventional methods. The accuracy and versatility of the proposed method are verified by the hydrostatic pressure and dam break problems.

  • 的野 玄, 西尾 真由子
    2024 年 2024 巻 1 号 p. 20241003
    発行日: 2024/03/29
    公開日: 2024/03/29
    ジャーナル フリー

    Reduced Order Modeling (ROM) reduces the computational cost in simulating physics phenomena by using reduced dimensional spaces. However, it becomes difficult to apply ROM to reconstruction of physical fields represented by the Lagrangian mechanics, such as the particle method, in the numerical analysis of free surface flows. This study aims to create a ROM applicable to free surface flows of Lagrangian description. A novel deep learning-based mode decomposition method, which can be applied to simulate physics phenomena obtained by the Lagrange method, is proposed as a component of ROM in this paper. Validation of proposed method was carried out for the analysis of water drop problem. The results showed that the original physical field can be reconstructed with high accuracies from the modes obtained by NMD realized deep learning.

  • 大村 浩之
    2024 年 2024 巻 1 号 p. 20241004
    発行日: 2024/03/29
    公開日: 2024/03/29
    ジャーナル フリー

    本研究では,梁要素を用いたFEMにおける幾何学的に精緻な接触計算手法を提案する.提案手法では,梁要素が表す部材の表面形状を粒子で離散的に表現し,粒子間に力学的・幾何学的な接触拘束条件を課す.そのうえで,要素の節点と粒子間の幾何学的関係に基づき,粒子間の接触拘束をFEMのつり合い式に組み込む要素間の接触拘束に帰着させる.このアプローチにより,部材に大変形やねじりのような複雑な変形が生じている場合でも,部材表面の面的な接触を容易に解くことができる.提案手法を用いて梁部材の静的・動的接触問題の数値計算例を解くことにより,その妥当性および有用性を示す.

  • 集路 幸正, 三目 直登, 森田 直樹
    2024 年 2024 巻 1 号 p. 20241005
    発行日: 2024/03/29
    公開日: 2024/03/29
    ジャーナル オープンアクセス
    J-STAGE Data

    物理現象は複数の場が相互作用する連成現象であり、その理解と予測には数値シミュレーションが広く利用される。

    近年計算機の性能向上により、大規模なシミュレーションと可視化が可能になった。大規模な解析対象の可視化は、注目領域の特定が難しく、インタラクティブ可視化が重要な役割をもつ。

    特に連成解析では、対象に応じて異なる数値計算手法が用いられ、計算結果の汎用的な可視化は容易ではない。

    本研究では、これらの問題を解決するために、数値解析手法に依存しない汎用的な大規模データ可視化システムを提案する。

    陰関数表現を用いたマーチングキューブ法に分散メモリ並列処理を適用し、その性能を評価した。

    並列性能評価から、提案システムが高い並列性能を持つことが確認された。

  • 松本 礼央, 田中 聖三, 浅井 光輝
    2024 年 2024 巻 1 号 p. 20241006
    発行日: 2024/05/10
    公開日: 2024/05/10
    ジャーナル フリー

    近年,浅水長波方程式などの双曲型方程式の解析に対して保存性や安定性の高さから Discontinuous Galerkin (DG) 法が有効であることが示されている.そこで本論文では,二次元浅水長波方程式と平衡流砂量式を連立した河床変動に関する支配方程式の解法としてDG法を適用し,その有用性を検討した.さらに,不連続移動床におけるダムブレーク解析および直線水路における砂州移動解析での検証を行い,二次元河床変動解析におけるDG法の有用性が示された.

  • 白神 嘉也, 藤岡 秀二郎, 辻 勲平, 浅井 光輝
    2024 年 2024 巻 1 号 p. 20241007
    発行日: 2024/05/14
    公開日: 2024/05/14
    ジャーナル フリー

    粒子法は分裂や合体などの激しい変形を表現するのに適しているが,粒子分布の乱れによる精度低下や数値不安定性が生じやすい.そこで,粒子分布に乱れが生じても高精度な演算を可能にとするSPH(2)が提案されている.SPH(2)は従来のSPHに比べて精度は向上するが,数値不安定性の克服にはまだ限界がある.そこで,より安定で高精度な計算のために粒子分布を直接改善する粒子再配列法の併用は避けられない.しかし,従来の粒子再配列法では長期的には体積が膨張する傾向があるため,粒子分布の均一化と体積保存を同時に改善できる新しい粒子再配置法を提案する.そのためには,提案手法を他の安定化手法との併用も重要であり,様々な安定化手法の役割を整理し,不要な項を排除することを本研究の方針としている.最後に,Rotating square patch解析とDam break解析により,提案手法の計算安定性と精度向上を示す.

  • 森田 直樹, 集路 幸正, 田中 克治, 馬込 望, 新舘 京平, 柴沼 一樹, 三目 直登
    2024 年 2024 巻 1 号 p. 20241008
    発行日: 2024/06/04
    公開日: 2024/06/04
    ジャーナル フリー

    本論文では、研究開発用途を目的として、並列シミュレーションを可能とする代表的なソフトウェアを総説する。多様な数値計算手法への適用可能性を主軸において、その機能や適用範囲について議論する。代表的なソフトウェアの議論をふまえ、数値計算手法に依存しない領域分割型並列シミュレーションのための統一的ライブラリについて述べる。統一的ライブラリは、数値計算手法における計算点の相互作用を表現するグラフ構造を基礎とすることで、広範な数値計算手法に対応する汎用性確保を目的としている。あわせて、グラフ構造に基づく統一的ライブラリについて、標準的な有限要素法(メッシュベース法)、粒子法(メッシュフリー法)、重合メッシュ法への適用例を紹介し、それらの並列計算性能について述べる。

  • 新井 滉平, 松田 哲也, 澤田 有弘, 松本 純一
    2024 年 2024 巻 1 号 p. 20241009
    発行日: 2024/06/13
    公開日: 2024/06/13
    ジャーナル フリー

    本研究では,織物複合材料の樹脂浸透特性に及ぼすネスティングと積層ずれの影響を,樹脂浸透問題に対する漸近展開均質化法を用いて調査する.このためまず,ネスティングと積層ずれを陽に考慮可能なメゾスケールユニットセルモデルモデリングと,それに対応する周期境界条件を提案する.この手法は,従来の直方体ユニットセルを用いた場合には困難であった,任意のネスティング量および任意の積層ずれ量の取り扱いを可能にする.つづいて,本手法を樹脂浸透問題に対する均質化法に適用し,ネスティングと積層ずれを有する平織ガラス繊維強化プラスチック(GFRP)複合材料の樹脂浸透解析を行う.これにより,ネスティングおよび積層ずれが平織GFRP複合材料のメゾ特性流速ならびにマクロ浸透係数に及ぼす影響を系統的に調査するとともに,得られたマクロ浸透係数と実験的に観測される平織GFRP複合材料の浸透係数との比較を行い,提案手法の妥当性を評価する.

  • 戸井田 一聖, 西口 浩司, 千葉 直也, 和田 有司, 横田 理央, 干場 大也, 加藤 準治
    2024 年 2024 巻 1 号 p. 20241010
    発行日: 2024/06/18
    公開日: 2024/06/18
    ジャーナル フリー

    構造力学パラメーターを組み込んだ 3D 形状の深層生成モデルとトポロジー最適化によって作成された 6,667 形状のデータセットを提案する。我々のモデルは、符号付き距離関数 (SDF) として形状を陰的に表すデコーダー タイプのニューラルネットワークである DeepSDF を基礎とする。DeepSDF を拡張して、ひずみエネルギー、荷重方向、体積、寸法などの構造力学パラメータに基づいて条件付き生成を行う。また、生成する 3D 形状の空間解像度を向上させるためにポジショナル・エンコーディングも導入する。我々のデータセットは、ビルディングキューブ法を使用した線形トポロジー最適化によって生成されたさまざまな 3D 形状で構成され,ひずみエネルギーを形状の構造性能の定量的な指標として使用する。このデータセットにより深層生成モデルをトレーニングし、構造力学パラメータを反映する 3D 形状を生成する機能を評価する。本論文の結果は、訓練済みの深層生成モデルが高い忠実度と多様性を備えた 3D 形状を生成でき、テスト形状に対して 88.8% の平均再構成精度を達成できることを示した。本論文で提案する深層生成モデルとデータセットは、深層学習を使用した 3D 形状生成と構造設計の新たな可能性を拓くものである。

  • 村井 拓海, 三目 直登, 森田 直樹
    2024 年 2024 巻 1 号 p. 20241011
    発行日: 2024/08/07
    公開日: 2024/08/07
    ジャーナル フリー

    Deflated 共役勾配法は,任意の既知である線形独立な複数のベクトルを係数行列から縮約する前処理を施した共役勾配法である.本研究では,deflated 共役勾配法に入力する基底として,並列計算の分割領域における固有値解析で取得した低次固有モードを利用する subdomain 固有モード deflation を提案する.提案手法の計算性能は,薄板モデルの構造解析に適用することで,反復回数と計算時間を用いて評価する.数値例より,提案手法が良好な前処理性能および並列計算性能を示すことを確認し,標準的な共役勾配法と比較して,総計算時間を最大85%削減することが示された.

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