2025 年 2025 巻 p. 20250006
本論文では,アイソレート要素法(IEM)による,直交する二曲率の四辺形シェルと円筒シェルの固有振動解析法の開発について述べる.どちらもフリューゲのシェル理論を基にする.四辺形シェルは“浅い”という制約を受けない.著者らが開発したIEMは節点やバネ,Kagrange乗数,ペナルテイなどを用いず“境界ポテンシャルエネルギー”を定義して自然境界条件にて要素間連続性を保つ.許容関数は剛体成分を含む高次の関数が可能であり,騒音や音響などの広域周波数の解析に少ない要素で高精度な解析が可能となる.計算例は円筒シェルを示す.その結果,基本的妥当な結果を得ている.特に,既存のFEMで見られるような要素分割に依存したようなモードは現れず,モードの抽出や評価にも有効であることが確認された.