日本計算工学会論文集
Online ISSN : 1347-8826
ISSN-L : 1344-9443
2025 巻
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 藤田 達大, 新保 泰輝
    2025 年 2025 巻 p. 20250001
    発行日: 2025/01/16
    公開日: 2025/01/16
    ジャーナル フリー

    亀裂の生成や進展現象を解析可能な数値解析手法にペリダイナミック(PD)がある.しかし,破壊を特徴づける重要なパラメータであるエネルギ解放率に関するPDの研究は数多くない.さらに,PDは非局所理論に基づいた積分方程式を解く解析手法であることから境界付近では計算精度が悪くなることが知られている.その問題を避けるため,4つのPDの定式化を用いてE積分公式を適用しエネルギ解放率を求めて理論解との比較を行った.その結果,NOSB-PDとFEMの連成解析に対して高精度でエネルギ解放率が得られ,積分経路をFEM領域に限ることで高精度で経路独立性が得られることを示した.

  • Yuki WAKAMATSU
    2025 年 2025 巻 p. 20250002
    発行日: 2025/02/03
    公開日: 2025/02/03
    ジャーナル フリー

    This study proposes novel conservative filters for uniformly spaced grids. The original conservative filters, proposed by Vreman, are extended by developing a filter matrix that is symmetric stochastic and pentadiagonal, rather than tridiagonal. When the original conservative filters are applied to uniform grids, once the coefficients of the filters at the interior nodes are established, the coefficients of the filter at the boundary can be determined uniquely. This study improves the flexibility of adjusting the filter strength near the boundaries. The numerical results suggest that the developed filters can be applied when it is essential that filters neither increase the global maximum nor decrease the global minimum of a variable.

  • 松本 久也, 近藤 雅裕, 柴田 和也, 松本 純一
    2025 年 2025 巻 p. 20250003
    発行日: 2025/04/03
    公開日: 2025/04/03
    ジャーナル フリー

    We propose an ellipsoidal particle model for the Moving Particle Hydrodynamics (MPH) method to reduce the computational cost in thin calculation geometries. The Lagrangian and dissipation functions of the MPH method are extended for an ellipsoidal particle model, which has an ellipsoidal influence domain. The governing equations of the ellipsoidal MPH method are derived from the extended Lagrangian with dissipation. The proposed ellipsoidal MPH method was applied to calculate a hydrostatic problem, the evolution of a droplet, and a dam break problem. The results of the former two calculations showed good agreement with the theoretical solutions. In the dam break calculation, the front position agreed well with the experiment, both with and without the ellipsoidal particle model. However, the dependence on the aspect ratio of the ellipsoidal particle was observed in the shape of splashes.

  • 石井 英二, 佐野 理志, 保坂 知幸, 越塚 誠一, 松永 拓也
    2025 年 2025 巻 p. 20250004
    発行日: 2025/04/16
    公開日: 2025/04/16
    ジャーナル フリー

    自由表面の波動現象を用いた液体攪拌に関して、粒子法を用いたシミュレーションを研究した。気液界面に周期的に加振波を与えて波動を誘起し,二種類の液体の攪拌過程を予測した.液面の波動現象の予測にはCIP法を用いた.また攪拌される液体の拡散過程をMPS法で予測した.さらにMPS法は,大気中から混入した気泡の移動・合体・分裂を予測するためにも使用した.MPS法で粒子の移動を計算するときは,CIP法で使用した計算メッシュで持つ流速の情報を利用することで,多数の気泡が混在する複雑な攪拌現象を少ないメッシュ数で予測することが可能となった.攪拌現象を予測した結果,攪拌を担う旋回流のサイズと渦中心位置に関して実験と良い一致が得られた.さらに大気中から混入した気泡が攪拌に影響することが明らかとなった.

  • 里田 啓, 福島 誠一郎, 奥田 洋司
    2025 年 2025 巻 p. 20250005
    発行日: 2025/04/16
    公開日: 2025/04/16
    ジャーナル フリー

    確率論的地震リスク評価に用いられる地震フラジリティ曲線(SFC)は,多くの既往検討においては,地震動強度と被害率の関係を正規分布や対数正規分布と仮定した上で,過去の地震被害記録を回帰することで,これらの確率分布の変数(平均や標準偏差等)を求めている.石油製油所や石油化学工場といったプラント構造物は,その絶対数が少なく,また,一般建物と異なり固有性が高いため,統計処理によってSFCを求めることはできない.そのため,解析的な方法を用いてSFCを評価する必要が生じる.そこで3次元で部材なりに構築したモデルをSFC評価に応用することを前提とする.SFC評価では,応答と耐力の確率分布の評価が前提であるが,前述のモデル化を採用した場合には得られる結果は部材のSFCとなる.したがって,プラント構造物としてのSFCを求めるためには,部材のSFCと構造物のSFCを関連付けることが必要となり,この関連づけをフォールト・ツリーを用いて行う.本研究では,モンテカルロシミュレーションにより部材のSFCを評価し,フォールトツリーにより関連付け,構造物のSFCを評価する方法を構築するとともに,具体的な適用を通して,手法の適用可能性を検討する.

  • 菊地 厖, 風間 悦夫
    2025 年 2025 巻 p. 20250006
    発行日: 2025/05/16
    公開日: 2025/05/16
    ジャーナル フリー

    本論文では,アイソレート要素法(IEM)による,直交する二曲率の四辺形シェルと円筒シェルの固有振動解析法の開発について述べる.どちらもフリューゲのシェル理論を基にする.四辺形シェルは“浅い”という制約を受けない.著者らが開発したIEMは節点やバネ,Kagrange乗数,ペナルテイなどを用いず“境界ポテンシャルエネルギー”を定義して自然境界条件にて要素間連続性を保つ.許容関数は剛体成分を含む高次の関数が可能であり,騒音や音響などの広域周波数の解析に少ない要素で高精度な解析が可能となる.計算例は円筒シェルを示す.その結果,基本的妥当な結果を得ている.特に,既存のFEMで見られるような要素分割に依存したようなモードは現れず,モードの抽出や評価にも有効であることが確認された.

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