2011 年 11 巻 p. 25-34
本研究は,全国の地域子育て支援センターにおける「父親支援プログラム」の実施状況の把握を目的としておこなった。またプログラム実施施設と非実施施設の要因の違いについて分析を行った。対象とした施設は全国の地域子育て支援センターである。そのうち1,160施設に対して,自記式無記名の質問紙調査を郵送法により実施した。期間は2009年4月1日~30日であり,回答数は512ヶ所(回収率44.14%)。調査の結果父親支援プログラムを実施している施設は44ヶ所(9.3%) であった。実施プログラムの具体的な内容は「関わり方や遊び方」(27%)「行事やイベント」(27%) 「講演会・学習会」(17%) で多くを占めた。実施施設と非実施施設では「育児の主体は父親である」「子育てに積極的な父親が増えている」「父親の子どもへのかかわり方に不安を感じる」の3項目の意識の違いについて有意差が認められた。支援施設の父親に対する意識の違いが,プログラム実施に影響を与えることが明らかになった。