本稿の目的は,児童養護施設で暮らす子どもの意見表明権を応答的な関係の視点からとらえなおし,12条の意義と課題を明らかにするものである.子どもの権利内容を参照点として12条の意義と課題を明らかにするために,子どもの権利アプローチによる児童福祉理論を整理・分析する文献研究を選択した.児童養護施設で暮らす子どもの多くは,意見表明を行う上で困難を抱えている.そのような子どもの意見表明権を保障するためには,子どもの主体的な働きかけに職員が応答する中で発達し,その発達に合わせておとなによる働きかけも変化していく応答的な関係が重要と考える.先行研究を応答的な関係の中で行う自立支援の視点から整理・分析した結果,その意義として①自己決定の準備,②主権者育成,③共同決定を明らかにできた.また,その課題として①法整備,②おとなの専門性向上,③子どもの意見表明する力の回復を明らかにできた.