子ども家庭福祉学
Online ISSN : 2758-2280
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調査報告
子どもに対するショートステイによる在宅支援―ショートステイ実施施設のインタビュー調査から虐待予防の視点を探る―
武田 玲子
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2018 年 18 巻 p. 95-105

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抄録

本研究では,在宅支援サービスの中でも,緊急時の対応を担うショートステイに着目した.東京都内及び関東圏政令指定都市の計6カ所の事業所においてインタビュー調査を行った.その結果,ショートステイの理由として〈育児疲れ・レスパイト〉〈子どもの発達の課題への対応〉が共通している.また,〈継続的利用者〉の存在が認められ,虐待予防の側面がある.〈資格の取得〉〈海外出張〉等,多様な働き方への支援も行われる一方〈生活保護世帯,非課税世帯〉の利用も多い.さらに〈地域による特色〉があり,幅広い理由でショートステイが活用されていた.児童相談所の一時保護とは異なり,ショートステイの実施中に保育所,幼稚園,学校への送迎を行う等,子どもの生活の連続性が重視されている.しかし,受け入れ数,対象年齢,利用期間,費用等に関して自治体ごとに多岐にわたる違いが認められ,どの自治体でも共通して利用できるような体制整備が望まれる.

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© 2018 日本子ども家庭福祉学会
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