子ども家庭福祉学
Online ISSN : 2758-2280
Print ISSN : 1347-183X
論文
要支援子ども・家庭における母子保健と保育所等の連携に関する調査―乳幼児期からの切れ目のない支援のために―
鶴田 智子
著者情報
ジャーナル フリー

2020 年 20 巻 p. 67-80

詳細
抄録

本研究では,乳幼児期の要支援子ども・家庭への切れ目のない支援を考えるにあたり,全国の公立保育所と民間保育所,および母子保健を対象として,質問紙調査を行った.調査目的は,保育所と母子保健が,どのような連携や支援体制を期待しているのかについて明らかにすることである.その結果,保育所は母子保健との連携を望んでいることが明らかとなった.母子保健は保育所との連携だけでなく,他機関との連携の重要性を考えていることが示された.要支援子ども・家庭の支援については,母子保健のほうが支援方法や実践経験を蓄積しており,保育所等は日常的に継続的に支援を行っている意識を持ちながらも,人材不足が課題となっていることが示唆された.保育所での支援や連携を専門的・円滑的に進めるための専門職の配置については,民間保育所も公立保育所も配置への意欲が見られたが,位置づけが不明確であり,それ以上に人材不足が深刻なことが示唆された.

著者関連情報
© 2020 日本子ども家庭福祉学会
前の記事 次の記事
feedback
Top