日本小児看護学会誌
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ハイリスク治療計画への意思決定における子どもの参加を巡る親の考え方 : 造血幹細胞移植事例を通して
野村 佳代
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2002 年 11 巻 1 号 p. 8-14

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抄録
ハイリスク治療計画の意思決定への子どもの参加については親が大きく関与しているにも関わらず、親の考え方に焦点をあてた研究報告は少ない。本研究ではハイリスク治療としての造血幹細胞移植を巡る親の考え方を調査し記述する事を目的とした質的・帰納的研究を行った。過去2年以内に造血幹細胞移植を受けた1歳から15歳までの14人の小児患者の親を対象に半構成的面接を行い、分析した。その結果、ハイリスク治療計画としての造血幹細胞移植の意思決定における子どもの参加を巡る親の考え方は、子ども側の要素として「参加能力の見極め」「参加を巡る子どもの反応の予測」、親側の要素として「移植への親の受けとめ」「親の対応力の予想」「親の責務」が考慮され、「子どもの参加を巡る親の決意-代理意思決定、誘導的承諾、本人に委ねる」が導き出された。これらを共感的に理解し、親の決意を尊重するとともに対応力を高める支援の必要性が示唆された。
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© 2002 一般社団法人 日本小児看護学会
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