抄録
本研究の目的は、幼児の採血場面について看護師が認識する援助内容とその影響要因を明らかにすることである。小児病棟に勤務する看護師171名を対象に、独自に作成した質問紙を用いて調査を行なった。有効解答は133名(回収率80%)であった。援助内容の抽出には因子分析(主因子法、バリマックス回転)を行ない、5つの援助内容「主体的な参加を促す」「状況判断」「スムーズに進める」「情報提供」「安心を与える」を抽出した。援助内容ごとに実施得点と認識得点を算出し、Pearsonの積率相関、t検定を行なった。その結果、援助の実施得点と認識得点に高い相関がみられ、「主体的な参加を促す」「状況判断」「スムーズに進める」「情報提供」において認識得点が高かった。さらに、認識得点について影響要因ごとにt検定および一元配置分散分析を行なった結果、看護経験年数と小児看護経験年数、子どもの身体の一部を固定する方法、穿刺の実施者による違いが援助の重要性の認識に影響していることが明らかになった。