日本小児看護学会誌
Online ISSN : 2423-8457
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12 巻, 1 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • 江本 リナ
    原稿種別: 本文
    2003 年 12 巻 1 号 p. 1-7
    発行日: 2003/03/28
    公開日: 2017/03/27
    ジャーナル フリー
    本研究は、注射及び採血(以下、注射とする)を受けた学童の,注射に取り組めたという認識を査定する尺度を開発することを目的とし,フィールドワークで得られた内容と、子どもの達成感に関する既存の研究を基に、全11項目から成る自記式質問紙「注射及び採血を受けた学童の達成感尺度」を作成した。尺度の内容妥当性を検討した結果、概念を表すものとして妥当であることが支持された。「小学生用コーピング尺度」との相関係数(r=.31,p<.01)と「自尊感情尺度」との相関係数(r=.45,p<.001)より、「注射及び採血を受けた学童の達成感尺度」の構成概念妥当性が支持された。また、内的整合性(α=.86)と再検査法(r=.78,p<.001)による安定性から、信頼性が支持された。
  • 水野 貴子, 中村 菜穂, 服部 淳子, 岡田 由香, 山口 桂子, 松本 博子
    原稿種別: 本文
    2003 年 12 巻 1 号 p. 8-15
    発行日: 2003/03/28
    公開日: 2017/03/27
    ジャーナル フリー
    この研究は、修正版グラウンデッドセオリーアプローチを用いて、小児がんの子どもを持つ母親と家族が、患児の入院とそれに母親が付き添うことによってどのような経験をするのかを明らかにする目的で行った。対象者は小児がんの治療のためにN病院小児内科病棟に入院中の子どもに付き添っている母親12名で、半構成的面接により調査した。その結果、小児がんの子どもの入院に伴い、母親を中心とする家族が、精神面と体制面で闘病姿勢を形成していくプロセスが明らかになり、第1報では入院初期段階における母親役割の変化と家族の闘病体制形成プロセスを報告した。本報では、その中の治療の安定段階における闘病体制維持プロセスに焦点をあてた。分析の結果、2つのカテゴリーが抽出された。1つは、病院で患児の付き添いとして母親がしなくてはならない役割群である[がん患児の母親役割群]で、治療の経過に伴い患児のそばにいなくてはならない度合いに幅ができ、それを予測することで母親が行動をマネジメントしていた。母親は、付き添い交代や外泊によって病院での役割から離れ、発病前の役割や生活を部分的に戻しており、それを[家族としての日常性]として2つ目にカテゴリー化した。これらは病院と自宅という異なった空間であるため同時的に行うことは出来ず、母親は病院での母親役割をマネジメントすることによって、がん患児の母親と発病前の母親という異なった役割間を行き来しており、これが治療安定段階での特徴であった。
  • 流郷 千幸, 藤原 千恵子
    原稿種別: 本文
    2003 年 12 巻 1 号 p. 16-22
    発行日: 2003/03/28
    公開日: 2017/03/27
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は、幼児の採血場面について看護師が認識する援助内容とその影響要因を明らかにすることである。小児病棟に勤務する看護師171名を対象に、独自に作成した質問紙を用いて調査を行なった。有効解答は133名(回収率80%)であった。援助内容の抽出には因子分析(主因子法、バリマックス回転)を行ない、5つの援助内容「主体的な参加を促す」「状況判断」「スムーズに進める」「情報提供」「安心を与える」を抽出した。援助内容ごとに実施得点と認識得点を算出し、Pearsonの積率相関、t検定を行なった。その結果、援助の実施得点と認識得点に高い相関がみられ、「主体的な参加を促す」「状況判断」「スムーズに進める」「情報提供」において認識得点が高かった。さらに、認識得点について影響要因ごとにt検定および一元配置分散分析を行なった結果、看護経験年数と小児看護経験年数、子どもの身体の一部を固定する方法、穿刺の実施者による違いが援助の重要性の認識に影響していることが明らかになった。
  • 種吉 啓子, 中村 慶子
    原稿種別: 本文
    2003 年 12 巻 1 号 p. 23-30
    発行日: 2003/03/28
    公開日: 2017/03/27
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は、慢性疾患を持つ子どもの入院にともなう父親の思いを明らかにすることである。慢性疾患を持ち入院している子どもの父親14名を対象に、半構成的面接を用いた質的研究方法と、父親と母親を対象に日本版気分プロフィール検査(以下日本版POMSとする)を用いた量的研究方法を併用し、父親の思いの特徴を明確にすることを試みた。半構成的面接の分析の結果、主要カテゴリー「しゃあない」の構造が明らかになった。また、日本版POMS調査の結果、標準化得点(以下T得点)において、緊張-不安を示すT-A尺度、抑うつ-落ち込みを示すD尺度、怒り-敵意を示すA-H尺度、活気を示すV尺度において子どもの入院中と退院後に有意差が確認された(p<0.05)。POMS値において、ネガティブな感情を持つ状態であることが示唆された(p<0.05)。これらの結果から、父親は「しゃあない」と表現しながら子どもの入院にともなう変化に対処していることが推察された。家族関係の中で父親を支援していく必要性を確認した。
  • 中村 美保子, 内村 章子, 西原 みどり
    原稿種別: 本文
    2003 年 12 巻 1 号 p. 31-35
    発行日: 2003/03/28
    公開日: 2017/03/27
    ジャーナル フリー
  • 住吉 智子
    原稿種別: 本文
    2003 年 12 巻 1 号 p. 36-42
    発行日: 2003/03/28
    公開日: 2017/03/27
    ジャーナル フリー
  • 藤丸 千尋
    原稿種別: 本文
    2003 年 12 巻 1 号 p. 43-49
    発行日: 2003/03/28
    公開日: 2017/03/27
    ジャーナル フリー
    本研究は、がん患児に母親が付き添って入院した場合(母児入院)、親が同胞(患児の兄弟姉妹)に行った説明の内容と説明の仕方(態度)を明らかにすることを目的とする。対象は、大学病院に母児入院した退院後2年以内の母親18名である。半構成的な面接を行い、聞き取り内容を分析した。その結果、1)18家族の全例で説明がなされていた。内容は親が認知した理解度に従ってなされていた。付き添うことに関しては25/25(100%)名、病気に関しては16/25名(64%)うち病名を告げることは6/25名(24%)になされていた。2)親の説明の態度は、子ども中心の態度と親中心の態度というふたつのパターンに分類できた。後者では親が感情のコントロールを欠いた態度が含まれていた。
  • 内 正子, 村田 恵子, 小野 智美, 横山 正子, 丸山 有希
    原稿種別: 本文
    2003 年 12 巻 1 号 p. 50-56
    発行日: 2003/03/28
    公開日: 2017/03/27
    ジャーナル フリー
  • 幸松 美智子
    原稿種別: 本文
    2003 年 12 巻 1 号 p. 57-63
    発行日: 2003/03/28
    公開日: 2017/03/27
    ジャーナル フリー
    本研究は,慢性疾患を持つ子どもへのしつけのあり様を明らかにする目的で、小児慢性特定疾患を持ち、基本的な日常生活習慣の獲得時期にある1-6歳(未就学児)の子どもの母親11名に対し半構成的面接調査を行なった。その結果、慢性疾患を持つ子どもの母親が子どもの発病を機に"意図的な甘やかし"を行なっていること、"意図的な甘やかし"に対する考え方は4つのカテゴリー、"意図的な甘やかしの実践"は2つのカテゴリーから成り立っていること、それは母親が子どものニーズを感知し、母親なりの基準や条件にそって目的的に行なわれるものであり、従来から言われてきた不安や罪悪感から生じる過保護や過干渉とは一線を画したものであることが明らかとなり、これまで医療従事者が否定的に捉えてきた親の"甘やかし"に対する認識を改める必要があることが示唆された。
  • 吉川 一枝
    原稿種別: 本文
    2003 年 12 巻 1 号 p. 64-70
    発行日: 2003/03/28
    公開日: 2017/03/27
    ジャーナル フリー
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