日本小児看護学会誌
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慢性疾患を持つ子どもの母親が行う"意図的な甘やかし"
幸松 美智子
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2003 年 12 巻 1 号 p. 57-63

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抄録
本研究は,慢性疾患を持つ子どもへのしつけのあり様を明らかにする目的で、小児慢性特定疾患を持ち、基本的な日常生活習慣の獲得時期にある1-6歳(未就学児)の子どもの母親11名に対し半構成的面接調査を行なった。その結果、慢性疾患を持つ子どもの母親が子どもの発病を機に"意図的な甘やかし"を行なっていること、"意図的な甘やかし"に対する考え方は4つのカテゴリー、"意図的な甘やかしの実践"は2つのカテゴリーから成り立っていること、それは母親が子どものニーズを感知し、母親なりの基準や条件にそって目的的に行なわれるものであり、従来から言われてきた不安や罪悪感から生じる過保護や過干渉とは一線を画したものであることが明らかとなり、これまで医療従事者が否定的に捉えてきた親の"甘やかし"に対する認識を改める必要があることが示唆された。
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© 2003 一般社団法人 日本小児看護学会
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