抄録
家族のライフサイクルの中で、乳幼児を養育している時期は、家族が発達課題と取り組みながら絆を深めていく時期であると同時に、危機的な状況も起こりやすい。本研究は、Family Dynamics Measure II (FDM II)日本語版を用いて、乳幼児を育てている家族の家族機能モデルを構築することにある。有効回答を得られたものは454名であった。FDM IIを用いて因子分析した結果、サブスケールは12因子から構成され、信頼性のクロンバックのαは0.9158であった。さらに共分散構造分析を用いてモデルを構築した結果、養育期にある家族の家族機瀧は、家事とコミュニケーション、家族間のルールという3つの構成概念に大きく影響されることが示された。今後は、このモデルを用いて、家族形態や地域、病気の有無による違いなどを計量的に比較することで家族の特徴が明らかになり、家族支援の一助となると考えている。