日本消化器内視鏡学会雑誌
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超音波内視鏡による粘膜下病変の診断
木田 光広 川口 祐輔宮田 英治長谷川 力也金子 亨山内 浩史小泉 周子奥脇 興介宮澤 志朗岩井 知久菊地 秀彦渡辺 摩也今泉 弘小泉 和三郎
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2018 年 60 巻 5 号 p. 1116-1131

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抄録

超音波内視鏡EUSによる粘膜下腫瘍の診断は,主存在層(由来層),腫瘍のエコーレベル,内部エコーパターンにより鑑別診断がある程度可能である.脂肪腫,リンパ管腫,嚢胞は,特徴的な所見を有するため,Endoscopic ultrasound-guided fine-needle aspiration(EUS-FNA)の必要性はない.迷入膵とGlomus腫瘍は,3,4層由来の腫瘍として同定され,前庭部に多く認められる.しかしながら,4層が肥厚様に描出される3,4層由来の迷入膵(深層型)は,多くは大きく,胃体部に見られることが多い.各々の粘膜下腫瘍は,特徴的な所見を有するが,第4層由来の腫瘍の画像診断による鑑別診断は,たとえ造影エコーを用いても難しい.それゆえ,これらの鑑別にはEUS-FNAを行わなければならない.しかしながら,小さな腫瘍に対するEUS-FNAの診断能は,臨床的な要求を満足するものではないため,第4層由来のこれらの腫瘍は,最初は6カ月後に経過観察し,もしもその時点で大きさ,形態が大きく変化してない場合には1年毎の経過観察とすべきと考えている.これらの腫瘍が1-2cm以上となった時点で,EUS-FNAによる診断が推奨される.さらに,結節分葉状,内部不均一,無エコー域,潰瘍などの悪性所見を有するなど通常とは異なる粘膜腫瘍もEUS-FNAの適応である.フードを装着した直視型超音波内視鏡は,小さな粘膜下腫瘍に対するEUS-FNAに有用である.

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© 2018 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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