日本小児看護学会誌
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看護学生が捉える入院中の子どもを尊重した関わり : 小児看護実習を経験した学生を対象に
丸山 真紀子
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2008 年 17 巻 1 号 p. 65-71

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抄録

小児看護実習を経験した学生が捉える「入院中の子どもを尊重した関わり」を明らかにすることを目的に、A大学看護学部4年生9名に質問紙調査と面接調査を行った。その結果、学生が捉える「入院中の子どもを尊重した関わり」は、1)子ども自身が体験している、またはこれから体験することについて、子どもの意思を確認しながら説明すること、2)子どもの気持ちや立場に配慮すること、3)子どもの入院生活を整えることであった。また、さらに以下の点が明らかとなった。1)学生は、子どもを尊重した関わりについて考える際に、医療処置や検査の場面を多く挙げていた。2)学生は、子どもの気持ちへの配慮とともに、子どもの身体状態を考慮する必要性を認識していた。3)学生は、子どもの気持ちへの配慮とともに、子どもの安全および治療を確実に行うことを重視していた。そのため、子どもの気持ちに反して処置を行う場面で葛藤を生じやすいことが考えられた。4)学生は、関わりに対する子どもの反応に注目していた。しかし、子どもが年少の場合、子どもの反応の読み取りに困難を感じている場合があり、その判断をサポートしていく必要があると思われた。

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© 2008 一般社団法人 日本小児看護学会
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