日本小児看護学会誌
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思春期にある先天性心疾患患児の自己開示と自尊感情およびソーシャルサポートの関連
石河 真紀
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2008 年 17 巻 2 号 p. 1-8

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抄録
先天性心疾患患児(以下CHD児)の療養行動には、周囲の理解とサポートが必要であり、そこには「自分のことを話す」という自己開示が関連すると考えられた。自己開示には相手との関係や自己概念とも関連すると考え、自尊感情、ソーシャルサポートとの関係や自己開示の特徴を明らかにすることを目的に、外来通院中の10〜15歳のCHD児を対象に調査研究を行った。平均年齢は12.16±1.62歳であり、69.1%が手術を経験し、63.2%が管理指導区分E可であった。自己開示尺度の合計平均は52.33±13.36であった。57.4%が疾患開示をし、通院が頻回であるものがより開示しており(p<0.05)、通院などの行動は疾患開示のきっかけになると推察された。自己開示と自尊感情に関係は認めなかった。ソーシャルサポートの合計は自己開示尺度と相関を示し(p=0.32, p<0.05)、疾患開示しているもののほうが高かった(p<0.05)。また教師のサポートも疾患開示をしているほうが高く(p<0.05)、安心して自己開示できる環境として総合的にソーシャルサポートを高めること、特に学校での教師のサポートの重要性が示唆された。
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© 2008 一般社団法人 日本小児看護学会
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