抄録
本研究では、胆道閉鎖症患児の母親に聞き取り調査を行い、母親が退院後に問題となったこととその対処方法を明らかにすることを目的とした。A病院外来受診中の胆道閉鎖症患児の母親6名に対して半構成的面接を行った。その結果、退院後に問題となったことは、【胆管炎を引き起こすかもしれない】、【疾患が進行していくのではないか】、【疾患を抱えながら成長・発達していけるのか】、【支援体制が不足している】という4つのカテゴリーで、母親の心配や不安が問題として挙げられた。その問題の対処方法は、【積極的な情報収集】、【感染予防対策】、【社会資源の活用】が明らかになった。母親が一番問題としている感染予防や異常の早期発見に重点をおいた生活指導を実施することが重要である。また母親が必要な情報を取捨選択できるような指導も必要である。さらに母親同士の交流は、共感し、支えあうことができる存在として重要であり、交流の場をつくっていくことが望まれる。