抄録
1997年〜2007年までの医学中央雑誌Web版(Ver.4)を使用し、小児看護における家族のニーズとその援助に関して、病気を抱える子どもの家族に焦点をあて83件の文献の内容を分析し、現状を明らかにし今後の課題を検討した。その結果、研究では、退院後の生活指導や成長発達、育児や病気の受容へのサポート、また、家に残された家族へのサポートのニーズがあり、長期的で幅広い援助が必要であることが明らかにされていた。しかし、医療者からの積極的なかかわりや連携および、地域の他職種との協働による援助が効果的であったことが記述されていたのはほとんどが事例報告であった。今後は、外来と病棟で病気の子どもをもつ家族の情報を共有する方法や地域の他職種との協働を検討し、個々の家族の状況に合った援助をスムーズに行っていくことが課題である。そのためにも、外来と病棟との連携や地域の他職種との協働により家族へ行った援助の効果まで記述した研究が望まれる。