日本小児看護学会誌
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先天性心疾患をもつ幼児・学童の母親の子どもへの疾患の説明と思い
田畑 久江
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2010 年 19 巻 2 号 p. 17-24

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抄録

本研究は、先天性心疾患をもつ幼児・学童の母親の、子どもへの疾患に関する説明と、説明に影響する思いを明らかにすることを目的とし、先天性心疾患をもつ幼児・学童の母親20ケースに半構成的面接を行い、以下の結果を得た。子どもが小学校中学年以降の方が、母親は子どもへの疾患の説明に困難を感じていた。そして、子どものことをしっかりしていて、疾患は子どものことととらえていた母親は、子どもへの疾患の説明に積極的であり、子どものことをまだ1人では無理で守っていくことを考えていた母親は消極的であった。また、子どもに自覚症状や運動制限のないケースでは、子どもが疾患を意識することは良くないと考えていたり、話すきっかけがないと感じていること、自覚症状や運動制限のあるケースでは、子どもに死のイメージなどの恐怖感をもたせることや、子どもから責められることなどを懸念し、母親たちは説明することに困難を感じていた。

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© 2010 一般社団法人 日本小児看護学会
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