日本小児看護学会誌
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重症心身障害児の胃瘻造設に関する母親の意思決定過程の構造化
小泉 麗
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2010 年 19 巻 3 号 p. 1-8

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抄録

4年以内に胃瘻を造設した重症心身障害児の母親11名を対象とし、重症心身障害児が胃瘻造設をする際の母親の意思決定過程を構造化し、意思決定過程における看護実践への示唆を得ることを目的に質的記述的研究を行った。意思決定過程の構造として、【迷いを断ち切っていく過程】に並行し、【体調安定への願いが高まっていく過程】【経鼻経管栄養に伴う苦痛からの解放への願いが高まっていく過程】が生じていたこと、その過程において母親は一貫して【決断の責任を負う覚悟】を抱いており【情報の獲得】をしていたこと、子どもが障害を負って間もない頃から【子どもにとって幸せな食事方法の模索】をしており、意思決定過程に影響を及ぼしていたことを明らかにした。看護実践への示唆として、母親の迷いに寄り添う姿勢が重要であること、子どもにとって最適な胃瘻造設のタイミングを母親とともに検討すること、情報提供システムの確立が求められていることが示された。

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© 2010 一般社団法人 日本小児看護学会
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