抄録
本研究の目的は、小児のターミナルケアに携わる若手看護師への教育支接を検討するために、若手看護師が感じた困難の内容を明らかにすることである。小児のターミナルケアに携わる若手看護師3名と経験豊富な看護師5名、成人のターミナルケアに携わる若手看護師3名に半構成的面接を行った。その結果、小児のターミナルケアに携わる若手看護師の困難は、【予後不良の子どもをみる辛さ】【時間がない】というターミナルケアに携わる看護師に共通した内容に加えて、【どうしていいか分からない】【自信がなく不安】という若手看護師に共通した内容、さらに、【母親の存在に萎縮する】【ターミナルケアに携わる緊張】という小児の若手看護師のみに抽出された内容によって構成されていた。若手看護師に対しては、身体的・精神的援助における先輩看護師のモデリングと、不安や緊張を軽減できるように困難を感じた時に相談できる体制の必要性が示唆された。