2010 年 19 巻 3 号 p. 39-45
本研究は、学校に通う障害のある子どもの現状と問題について当事者の立場から明らかにすることを目的として行った。学校に通う障害のある子どもの親を対象にし、2006年7〜12月に質問紙調査を行った。その結果、過去に起こった問題と現在の悩み・不安において、【教師の本人及び親への対応の問題・悩み】【教師間及び教師と親間の連携の問題・悩み】【学校の管理・指導体制の問題・悩み】【障害に起因する生活上の問題・悩み】という共通した4カテゴリーが抽出された。また、様々な問題の根底には教師の知識・理解不足があり、これらの問題を解決するためには立場の異なる親と教師の間に立つ専門的知識をもった第3者が必要である。障害のある子ども達の学校生活の質を向上させ、心身の健康を守っていくためには、養護教諭や医療機関の看護者が相談窓口となり、その存在を広く周知していくことが求められていると考えた。