日本小児看護学会誌
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学生の認識の発展を促す実習指導に関する事例研究 : 小児看護学実習における指導者(研究者)の認識に焦点をあてて
甲斐 鈴恵
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2010 年 19 巻 3 号 p. 32-38

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抄録

小児看護学実習指導において、学生の認識および言動が看護者として変化・発展し、患児にもよい変化があったと思われる自己の指導場面を研究対象とし、そのときの指導者(研究者)の認識の特徴を明らかにすることで、学生の認識の発展を促す小児看護学実習指導の方向性を得ることを目的として本研究に取り組んだ。4事例21場面をプロセスレコードに再構成し、各場面から"指導者の認識の特徴"《指導の特徴》を抽出し、その共通性と相異性を比較検討し、小児看護学実習指導の方向性4項目を導き出した。この4つの方向性から、学生が目の前の子どもの状態をより鮮やかに描き、子どもの素直な反応を学生が受けとめ、子どものもてる力を学生が実感し、学生の実習体験から気づいたことを根拠をもって意味づけられると、さらに学生は心が動き、子どもへの関心が高まり、看護を実践しようと取り組むので、指導者は学生のその学びを丁寧に支えて導くことが重要だと再確認できた。

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© 2010 一般社団法人 日本小児看護学会
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