抄録
本研究の目的は、思春期1型糖尿病患児へのメンタリングを用いた看護介入プログラムを開発し、思春期患児の血糖コントロールや自己効力感に及ぼす効果を明らかにすることである。介入プログラムは、対処行動の獲得を目的とした介入セッションと、電子メール等を用いた1年間の継続メンタリングで構成され、すべてのプログラムを終了した思春期患児10名について分析した。介入プログラムの適用により、1年間に及ぶ血糖コントロールの改善と、介入開始後6か月までは療養行動に対する自己効力感を向上させる効果が明らかになった。思春期患児は6か月後までは青年期患者とのメンタリング関係に満足していたが、12か月後には関係性が低下した。より介入効果の高いメンタリングを行うためには、より緻密なマッチングと介入初期段階での信頼関係構築のサポート、複数又はグループメンタリング制の導入や、より丁寧で組織的な看護支援体制の確立などを検討していく必要性が示唆された。